HOME > commmonsmag > PRODUCTS > 高音質配信を味わう “音楽のある生活”を多彩に、贅沢に

commmonsmag

PRODUCTS

2009/09/22 UPDATE out of noise

高音質配信を味わう “音楽のある生活”を多彩に、贅沢に

vol.1 COLUMN 今、なぜ高音質配信か?

commmonsの取り組みに見る、ミュージックライフスタイルの未来

多様化した音楽のカタチ

今春行なわれた坂本龍一4年ぶりのソロ・ツアー“Ryuichi Sakamoto Playing The Piano 2009”。その会場は、どこもたくさんの笑顔であふれていた。なにしろ、普段CDやPCでしか聴けない楽曲を、音響のよいホールで、生で堪能できるのである。音楽ファンであれば、誰しもが顔をゆるませずにはいられない贅沢なひとときだったことだろう。

しかし、かつて音楽を生で聴くということは決して贅沢なことではなかった。むしろ、生で聴く以外に方法がなかったのが、音楽が生まれた時代の常識だった。音楽を聴きたければ、音楽が鳴っている場所へ足を運ぶべし。好きなときに好きな場所で、好きなように音楽を楽しむなんて、夢のまた夢。そんな現実が、人々の欲求を「もっと気軽に音楽を楽しみたい」という方向に向かわせ、音楽を記録するメディアの研究・開発を推し進めることとなったのは事実だろう。現在、当たり前のように好きな音楽が聴けるのも、ケータイにお気に入りの楽曲を取り込むことができるのも、さらには全世界的なヒット曲が生まれるのも、すべては音楽を記録して大衆に届ける技術が急速に発達したおかげなのである。

高音質配信が放つ警鐘

ただ、その一方で失われたものがあるのも事実。『out of noise』のリリースにあたり、マスター音源と同等のクオリティを持つ48kHz/24bit AIFFファイルと、一般の配信音源以上のクオリティを持つ320kbps mp3ファイル、2種類の高音質配信を試みた坂本龍一は、こんな風に話している。

昨今、ますます音楽を聴くチャンネルが多様化しています。アナログ盤、CD、PC、携帯電話、携帯音楽機器、、など。それと同時に音質も多様化しています。どちらかというと、制作過程においては高音質化がすすみつつあるのに対して、再生側=消費側は低音質化がすすんでいるように見えます。その差がひらきつつあること、圧縮されたファイルを聴くのが当たり前になりつつある状況に、ぼくは少し危機感を覚えています。制作者が制作しているのと同様の音質で音楽を聴きたいと思っているリスナーも、パーセンテージは少ないがいるのではないかと思い、『out of noise』を実験的に配信してみました。

坂本龍一

さらに、音楽専門誌『サウンド&レコーディングマガジン』編集長の國崎 晋氏は、坂本龍一をはじめ多くのアーティストが高音質配信に踏み切りはじめている理由について、こう解説している。

19世紀末にエジソンが蓄音機を発明して以来、音楽は「録音されたもの」としてリスナーに届けられるようになりました。ただ、蓄音機の時代はもとより、レコードやカセットテープ、さらにはCDやMDの時代に至るまで、器の大きさは最初に決められていて、録音できる情報量は常に制限されていました。アーティストが作った音がそのまま届けられることはなく、リスナーは情報が間引かれたものを聴かざるを得なかったのです。
それが今、多くのリスナーはパソコンやデジタルプレーヤーで音楽を聴く時代となりました。実はこの環境では、理論的には1曲ごとにそれこそ無限とも思える情報量を割り当てることができるのですが、現状の音楽配信で行われているのは、多くの曲を簡単にダウンロードできるようCD以下の情報量で音楽を届けるという、非常に残念なやり方がほとんどです。
しかし、ここに来てアーティストが「自らが作った音をそのままにリスナーに届けたい」と声を上げ始めました。音楽というものは、さまざまなニュアンスの集積により出来上がっているものです。プレイヤーのちょっとした息づかいさえもが、音楽を構成する重要な要素なのです。そんな細かなニュアンスに触れてもらいたい、そして音楽の奥深い魅力に気づいてもらいたいという願いは、アーティストにとってごくごく自然なものでしょう。高音質配信はその要求に応えることができるものであり、必ずやリスナーに新たな発見をもたらすでしょう。

サウンド&レコーディングマガジン 國崎 晋

こうして門戸は開かれた。「自らが作った音をそのままにリスナーに届けたい」というアーティストの思いと、「好きな音楽はできるだけ良い音で楽しみたい」という音楽ファンの願い、その両方に応えられる新たなツールとして、高音質配信は今後さらなる注目を集めていくことだろう。この、高音質配信を取り巻くうねりそのものが、利便性ばかりが追求されてきたこれまでの音楽マーケットのあり方に、大きな警鐘を放っていることは歴然だ。

さらなる音楽の多様化の時代へ―

しかし、ここで注目したいのは、単なる高音質配信のすばらしさだけではない。
高音質配信以外にも、実に多彩な形態でリリースされた『out of noise』を振り返ってみてほしい。豪華ブックレット付きのフルアートワーク盤、CDケースを排除したパッケージレス盤、2枚組180g重量盤アナログ・レコード、一般的配信にケータイの着うた(R)配信……。それらがリスナーに提供するのは、それぞれまったく違った音楽の楽しみ方だ。ブックレットと併せて『out of noise』の世界にどっぷり浸るもよし、手ごろな価格で手に入れられるパッケージレス盤で未知の音楽世界に足を踏み入れるもよし、アナログ盤で趣のある音の輪郭を楽しむもよし、もちろんポータブルに音を取り込んで気軽に楽しむのだっていい―。リスナーが各々のライフスタイルに合わせて、最適な形態をチョイスできる懐の深さが、そこにはある。さらに言及するならば、“Ryuichi Sakamoto Playing The Piano 2009”ツアー時にiTunes Storeで実施されたライブ音源の公演終了後最短24時間以内配信も、「少しでも早くライブの臨場感を楽しみたい」という、リスナーのさらなる欲求に応えるものだった。このような、それぞれまったく違った思いで音楽と関わる多種多様なリスナーに、同様の満足感を与えるような選択肢を用意することこそが、坂本龍一をはじめとしたcommmonsアーティストが目指す新たな音楽のカタチであり、彼らが高音質配信に取り組みはじめた大きな理由なのではないだろうか。

そう考えると、日々の生活と音楽との関係がより濃密なものに感じられてくる。この機会に、多彩に広がる音楽フォーマットの中から、アナタのライフスタイルに最も合ったものを改めて探してみてはいかがだろうか。

テキスト/齋藤美穂

  • 商品名

    坂本龍一
    Ryuichi
    Sakamoto:
    Playing The
    Piano 2009 Japan

    commmonsmartでは現在販売をしておりません。

    【配信盤 mp3形式 320kbps】
    特典付き(坂本龍一による全曲解説)
    アルバム \2,400(税込) / 単曲 \200(税込)
    発売日:2009/9/23

  • 商品名

    坂本龍一
    Ryuichi
    Sakamoto:
    Playing The
    Piano 2009 Japan
    Fan's Selections

    commmonsmartでは現在販売をしておりません。

    【配信盤 mp3形式 320kbps】
    アルバム \2,400(税込) / 単曲 \200(税込)
    発売日:2009/9/23 ※配信限定商品

  • 商品名

    Fretwork and
    Clare Wilkinson

    The Silken Tent

    commmonsmartでは現在販売をしておりません。

    【配信盤 AIFF形式 48kHz/24bit】
    アルバム \4,000(税込) / 単曲 \400(税込)
    発売日:2009/9/23

  • 商品名

    Fretwork and
    Clare Wilkinson

    The Silken Tent

    commmonsmartでは現在販売をしておりません。

    【配信盤 mp3形式 320kbps】
    アルバム\1,980(税込) / 単曲 \200(税込)
    発売日:2009/9/23

  • 商品名

    坂本龍一
    out of noise

    commmonsmartでは現在販売をしておりません。

    【配信盤 AIFF形式 48k/24bit】
    特典付き(坂本龍一による楽曲コメント&写真)
    アルバム \4,000(税込) / 単曲 \450(税込)
    発売日:2009/3/4

  • 商品名

    坂本龍一
    out of noise

    commmonsmartでは現在販売をしておりません。

    【配信盤 mp3形式 320kbps】
    アルバム\1,980(税込) / 単曲 \290(税込)
    発売日:2009/3/4


ページの先頭へ