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2009/02/24 UPDATE #002

MADからソロへ―。上田剛士、新たなる挑戦 第一弾アルバム『#1』リリース記念インタビュー

アーティスト名も、歌詞も、曲も、CDのパッケージも、その表現の全てに意味がある、上田剛士という人間のオピニオンの塊。それがAA=だ。ソロプロジェクトである意味合いもそこにある。

「自分が凄く納得したかったから一人でやるのかも。全てにおいて納得いきながらやってる感じです。責任を持って、逃げ道がない感じで出したいんですよね。自分がやることをぼんやりさせたくないというか、ピントはきちんと合わせていたい」

そんな意志の強さからは、ついついパンク的な攻撃性を感じずにはいられない。しかし、今の上田は、そういったトゲトゲしい空気や、閉鎖的な空気ではなく、むしろ開放的で穏やかな空気をまとっている。リスナーに対しても、自由な発想を与えてくれているのだ。

「自分が嫌なことに関しては嫌だって言いたい気持ちはあるんですけど、それをリスナーにも言ってほしいというわけではなくて。(このアルバムに込めているのは)もっとずっとパーソナルな思いなんですよね。だから、聴いた人が、嫌だと言いたくなれば言えばいいと思いますけど、そう思わなくても別に構わないんですよ。自分はただ、昔からミュージシャンに憧れていて、ずっとなりたいと思ってやっているだけなんで」

純粋な音楽への愛がもたらしたサウンド

あくまで上田はメッセンジャーではなく、純粋なミュージシャンなのだ。その純度はAA=でより高まっているように感じられる。今までは、既存の音楽とは違う、新しい音楽を作りたいと思ってきたと言う上田。しかし今は、そういうところよりも、この音楽は自分が好きなのか? 嫌いなのか?という判断基準で、好きだったらやる、という非常にシンプルな発想に基づいて動いているそうなのだ。その結果、濃密なサウンドワークで構成されながらも、強いビートとメロディアスな歌が際立つ、もしかしたら彼が携わってきた作品の中で最もポップなんじゃないだろうか!?と思えるような仕上がりになっている。

「結局、その音楽を自分が好きか嫌いかっていうところに意味があるなって思って。そう考えたときに、やっぱり僕は踊れるような曲が好きだし、わかりやすいメロディが好きで。それを形にしたら、こういう曲になったんですよね。だからある意味、聴いた人が踊れなくてもノれなくても、いいんですよ、僕としては。これは自分が聴きたいものであり、好きなものなんで、そういう意味では自分の中で納得している音なんで」

それはつまり、聴き手や時代性に寄せることなく――つまり商業主義に走らずに音楽を制作したということ。自分の好みや、パーソナルな思いを貫きながら、AA=のポップ性は生まれているのだ。そこから溢れ出るタフな輝きは、まるで上田自身が音楽に希望を持って鳴らしているように感じさせるほどに、眩しい。そう言うと、上田は笑ってこう答えた。

「それは、僕自身が音楽に希望をもらっているからじゃないかな」

物凄く説得力に満ちた言葉である。

頼もしいバンドメンバーと共に、新たな旅路へ

そして、その希望の光は、間もなく私たちにダイレクトに降り注ぐ。そう、『#1』のリリース後に、初のツアーが行われるのだ。共に廻るのは、『#1』の制作にも携わった、頼もしい盟友たちである。では、上田は自分が隅々まで意味を託した大切なこの音楽を共に鳴らす重要なバンドメンバーを、どんなポイントで選んだのだろうか。

「これはメンバーみんなに言えることなんですけど、まず自分がAA=の曲を作り上げて、自分でやりたいものをこういうものだって見極めてから、さぁ、これを表現するには自分の仲間としてどういう人が必要かなっていうのを考えて集めていったんですよね。TAKA(Takayoshi Shirakawa:BACK DROP BOMB)は、歌も歌えるし、いろんな表現方法を持ってる人なんで、また自分とは違ったキャラクターだし、そこが一番TAKAに惹かれたところですね。友達だから声が掛けやすいってのもあったし。MINORU(ex.THE MAD CAPSULE MARKETS、THE SPIN)は昔からよく知ってるし、何が出来るかもお互い分かってるんで。MADのオリジナルメンバーでもありますからね。普通に『やる?』って言ったら、『やるやる』って感じで。あっくん(金子ノブアキ:RIZE)は、単純に彼のドラムが好きだったっていう。彼も自分をリスペクトしてくれてたし」

職人であると同時にライヴの現場で叩き上げられてきた上田。AA=に関しても、「徐々にライヴをやりたくなってきた」と、嬉しい言葉を聞かせてくれた。

「ずっと、どうなんだろう?とは思ってたんですけど、バンド形式になって、曲の方向性も見えてきた時に、当然のようにライヴが頭に入ってきた感じですね。ライヴをやりたくてはじまったバンドではないですけど、ライヴがないと完全には完成しないと思います」

間違いなく、日本の音楽シーンが震え上がる傑作である『#1』を皮切りに、いよいよAA=の物語は幕を開ける。今はこの、聴き手にも意思が生まれるような、開放的にして刺激的な唯一無二の音塊を、一瞬でも早く浴びてほしい思いでいっぱいだ。胸を高鳴らせて覚悟していてほしい。

text/高橋美穂

photo/間部百合

PRESENT

抽選で10名様にAA=直筆サイン入りポスターをプレゼント

commmonsmartでAA=『#1』をご購入されたお客様の中から抽選で10名様に、AA=直筆サイン入りポスターをプレゼントいたします。

【購入期間】
2009年3月31日(火)まで

※これまでご購入された方も抽選対象に含まれます。
※当選者の発表は、プレゼントの発送をもって代えさせていただきます。

CD

#1

AA=
#1

MORE DETAIL

MADの頭脳・上田剛士のソロ第一弾アルバムは、パンクを基盤にプログラミングやへヴィロックなど、さまざまな音楽スタイルを融合した一枚。
破壊力あるサウンドがMADを彷彿とさせつつも、耳に残るメロディラインと象徴的な歌詞に、彼の純然たるメッセージと開かれたモードが感じられる、新たな傑作。

 

iTunesでソロ第一弾シングル好評配信中。
※このシングルは配信限定商品になります。

 


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