music BATON 第2走者：宇多丸（RHYMESTER） wrote:
例えば。本来なら好きこのんで映画館に足を運ぶことなど絶対になかったはずの「人気テレビドラマの劇場版」とかを、それでも観とかなきゃならなかったりすることが、仕事柄しばしばあると。で、しぶしぶ行ってみると、どういうわけだかそれなりに席が埋まってたりする。
へぇ、皆さんテレビが本当に好きなんですねぇ、などと呆れつつ、とは言えひょっとしたら万が一、それほど悪くない可能性だってゼロじゃないぞと、まずはスクリーンに集中を試みる。
......しかし残念ながら、それはやっぱり案の定、拷問のようだとしか表現しようがない二時間ほどだった。劇場の明かりが点く。さぞかし他の客もご立腹だろうと思いきや、周囲から聞こえてくるのは、「面白かったねぇ」「アタシ泣いちゃったぁ」といった、耳を疑うブサイクな声ばかり。
そ、そんなバカな！
もう耐えきれない。急いでipodを取り出す。ヘッドフォンを当て、周囲の雑音を完全に遮断するまでボリューム・アップ。セリフ入り『The Devil's Rejects』サントラ、一曲目のオールマン・ブラザーズ『Midnight Rider』が流れ出す。ああ、やっと「本当の映画」に戻ってこれた！
......とまぁそんな感じの、「心の武装のためのサウンドトラック」四選。私にとっては最も切実な音楽の機能です。
宇多丸 Utamaru（RHYMESTER）
日本を代表するヒップホップ・グループ「ライムスター」のMCにして、J-POPからアイドル、映画、時事問題にまで精通するマルチなトークスキルの持ち主。日本語DJ集団「申し訳ナイタズ」の一員としても活躍中。
目下はTBSラジオ(954Khz)「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」毎週土曜日の21時30分～23時30分に全力投球中。
近作はライムスターDVD作品『KING OF STAGE vol.7 at 日本武道館』および、申し訳ナイタズMIX-CD『申し訳ないとフロム赤坂 アーバンMIX』、自身初の単行本『ライムスター宇多丸の「マブ論 CLASSICS」‐アイドルソング時評2000～2008-』増刷出来！
あと、次にバトンを渡したサイプレス上野くんのニューアルバムにも一曲参加してます。それこそ「心の武装」に最適の自信作です！
■オフィシャルHP：www.rhymester.jp
This CHOICE!
2008/12/22 UPDATE
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The Devil's Rejects／Original Soundtrack
「映画監督」ロブ・ゾンビの歴史的傑作は、もちろん音楽の使いかたも超絶的に素晴らしい。左の文でも触れている通り、劇中のセリフが曲間に挟まれているバージョンの方が、より映画的没入度も高まるのでお薦め。
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野獣死すべし／Original Soundtrack
「みんな死ねばいいのに（オレも含めて）！」気分の午前二時を演出する極上のサウンドトラック。さっきネットで見たら物凄いプレミア付いてんのね。再発希望！
あと『ときめきに死す』サントラのCD化希望！
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Sweeney Todd: The Demon Barber Of Fleet Street／Original Soundtrack
なんと言っても、「あいつら全員死んで当然なんだ......このオレも、それから、オマエモナー！」と高らかに宣言する『Epiphany』が最高。
朝イチ、通学出勤時などに聴くと大変元気が出ることうけあいです。
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EFIL4ZAGGIN／N.W.A.
これは映画のサントラじゃないけど、まぁサントラみたいなもんだ。そもそもヒップホップこそは現代最良の「心の武装」用音楽であって、だからこそ私はそこに全面的に傾倒していったのであった。
= アナログ盤が購入できるサイトにリンクします。オークションかも？
#003は「サイプレス上野」さんです。
