music BATON 第57走者:桜井鈴茂 wrote:
最初にくらっときたのは、おそらく沢田研二とオフコース。次が、たぶんRCと佐野元春。そのへんから、コステロやスプリングスティーンといった外タレに入っていき、ほどなくスミスとピストルズに出会って、万事休す(笑)ってかんじでしょうか。まあ、二十代の後半で息を吹き返して、手広く聴くようになりましたが。
いわゆる「音楽好き」っていうのとはちょっと違うような気がする。映画にしても小説にしてもそうだけど、ようするに表現=アートに心を奪われているのであって。収まりのいい「音楽」はすぐに飽きちゃいます。音からはみ出してくるものがないと。とはいえ、結局は「音」を媒体としてるわけであって、変な話なんだけど。
だからなのか、歌がある場合は歌詞が超重要。より正確には、この人の歌詞は素晴らしいと信じ込ませてくれる声とか歌い方とか佇まいとかが超重要。
ここ数年は自ら求めていくことはあまりなくなって、向こうから寄ってくるものを聴くかんじ。それでじゅうぶん良いものが聴けているんじゃないかと思う。量は必要じゃなくなったということかもしれない。最近のトレンドはジャズ(系)で、遅ればせながら勉強中。とはいえ、若い頃に比べると断然お金もなければ時間もないので、歩みは遅々としていますが。
音楽を聴くのは、読書を含む仕事中と車の運転中とランニング中。酒に酔って電車で帰る時。闘いの前。
桜井鈴茂 Suzumo Sakurai
1968年北海道生まれ。小説家。
二十代の半ばまではバンド活動も。職と住所を転々とした後、2002年に『アレルヤ』で第13回朝日新人文学賞を受賞してデビュー。ロックやダンス・ミュージックに傾倒した若者の風俗を、ファニーかつドライブ感溢れる文体で綴り、一部の読者からの熱狂的な支持を得る。2005年には、内的独白を駆使した、六人の男女によるたった一日の群像劇『終わりまでどれくらいだろう』(双葉社)を発表。2009年には、チャールズ・ブコウスキーへのオマージュ「リンダ」や、英訳も併せて収録された「サンドラ」を含む連作短篇集『女たち』(フォイル)。この3月に『アレルヤ』が、短篇「おれのユッキー」を加えて双葉文庫に。また、掌篇小説+サウンドトラックCD-R"Wintertime Journey"も発売。現在、新作を準備中。
オフィシャル・ウェブサイト
http://www.sakuraisuzumo.com/