1. Everyday
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いろんな時間、いろんな場所 その時間、その場所、での会話、雰囲気、を編集してひとつの文脈をつくってみました。
人が生きていくこと、その人の今までの人生の記憶って意外とこんなかんじで断片が編集されて「いまの自分」というふうに自分で認識しているんじゃないでしょうか。 -
フィールドレコーディング紹介曲。
ちなみにベースはラップのリズムとユニゾンという驚異。 -
オールドスクール感が出したかったので、三人のパートを分けてラップしてます。新旧融合の面白み。
2. Good Morning!
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歌詞にあるとおりすごく目覚めのいい朝のすごく気分がいいかんじ。
冒頭のシンセベースが「ビー」っていてるのが段々グニャグニャしてくるのは脳波が寝てる状態から起きる状態へ移行するイメージ。
だから出だしの歌詞も『脳波ーーーから~~~』となっててーーーも~~~も「ビー」って歌っているんですが「ビー」の部分の音程がB(シ)なのでそれとのダブルミーニングという微妙な小ネタでした。そして曲の最後で家を出て駅に向かいます。 -
俺が知った時には出来てた。でも好きな脳波ソング。
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コーシのあとに数小節ラップをとか、途中シャッフルになるところに歌詞をなど、次々にコーシから指示が来た曲。結果、複層性のある曲になりました。
3. Tokyo
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それで『玄関を出て、傘をさして、改札抜け、電車に揺られ』るわけです。
で、冒頭のこのフレーズ、じつはこの曲のデモのインストバージョン(旧題:road toasakusa)を今年の春頃ポッドキャスト「Dig A Log」にアップしていて、それを聴いて気に入ってくれた「快快」という演劇?パフォーマンス?集団の野上絹代さんが作った「快快」の公演の短編劇中で、そのデモバージョンの上でのラップ的セリフなんです。影響を与えて受けてのフィードバック。
そんなeverydayのうちの一コマから生まれたコラボ。 -
栃木の後輩がギターを弾いてくれた。電車の音って望郷の念がありますよね。
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これが今回のアルバムを大きく変えた曲。JRからベルの音を使う許可がもらえず、それならフィクションもありじゃないかと考えるに至ったので。
つまり、フィールドレコーディングのノンフィクションを虚構化に導いた。
4. 卒業
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それで電車に揺られているうちに『世界がまだ僕のものだと思ってたそんな時のこと不意に思い出した』りして卒業式を回想します。
『15歳子供じゃない15歳大人じゃない』。
出だしのデトロイト風ハウスから一転して、、、校長先生のスピーチや送辞が胸にしみます。 -
実際の卒業式で流れるようになればいいと願って育てました。
マネージャーの姪の卒業式収録。 -
ラフからどんどん変化していった曲。
サビの歌が乗り始めたときは、あっと驚きました。メンバーの僕が。
5. 海
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そして現実の方の「僕」は彼女に会いにいかずにそのまま電車に乗り続けて海へ出てしまいましたとさ。『始まりの鐘少し眠い、思い出を海へ流そう~』
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由比ケ浜の海の音と八ヶ岳の雲海の音をミックス。
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子供の金切り声が大好き。
6. ヒップホップの初期衝動
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映画『サイタマノラッパー』とのコラボ。
映画上の架空のグループ「SHO-GUNG」の映画上映後のミニライブを僕がたまたまフィールドレコーディングしていて、その後「サイタマノラッパー」をえらく気に入ったせいこうさんが「SHO-GUNG」とコラボしたい!と言い出しこんなかたちになりました。
せいこうさんの『忘れられないのは六本木インクスティック、日本で初めてのヒップホップライブ』などなどのパンチラインの応酬にいち日本のヒップホップファンとしてそりゃやられますよ。僕。当然。ええ。 -
いとうさんのコメント参照。
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ほんとに衝動のみでするする作った曲です。そして、大抵そういう曲が知らぬ間にキャッチーになるもの。やっぱりそうでした。
7. 有志の宝くじ
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そしてファンキーキング復活!これはほんと聴いてのお楽しみ!
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環ROYとのコンピ用曲をリアレンジ feat. funky king。
00:09が一番好き。 -
この曲にシャウトは中村有志さんしかない!と曲を聴いたときから思っていました。
凄い叫びです。魂の全力使用です。意味と感情の塊。これこそがシャウトです。
8. 温泉
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ほんまおバカな曲やでコレ!
ウグイスVSベース=露天風呂の雰囲気ぶちこわし! -
社会に向けて、できるだけくだらない事をしたい。
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鳥のさずりあいこそが音楽の、そして言葉の起源だという説を我々はどう受け止めるべきか。そういう僕の投げかけにコーシとSHIGEはこういう答えを出してくれました。
9. moonlight lovers
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なんだか急にラブソングが書きたくなって作りました。
周りの人からは「ファンファーレ」っぽい曲だねっていわれます。
このアルバムで一番「歌手」って気持ちで歌いました。
レコードのサンプルがやたらとブチブチいってて目立ちますがそれもなんか曲に合ってていいかんじだったのであえてなにもしませんでした。
最後の虫の鳴き声とサンプルだけになるところは、「Tonight」のネタバレというか答えあわせ。 -
虫の音と夜。
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切ない曲の最後の虫の声は、レコーディング中にコーシが外に飛び出して録ったもの。そのときドアを開けた音が、どうやらラスト曲に使われているようです。
10. 夢中
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これは夢日記のフィールドレコーディングで歌詞を作るという曲で、このアルバムのなかで一番僕個人の趣味的に作った曲でとても気に入っています。
シゲのラップが特に。こういうのばっかのアルバムもいつかつくりたいなー。 -
ねむりふかいあさい。
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三人三様のラップ、及びポエトリーリーディング。ある意味、クチロロ内での競い合いですね。テクニックと発想を戦わせている。すごくいい戦いになってます。
11. 花見
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これは実際井の頭公園の花見をフィールドレコーディングしたら飲みの一気コールだらけだった。ので、それをつかってバカバカしいビートものになかば無理矢理仕立て上げました。グイグイググーイ!
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社会に向けて、できるだけくだらない事を二回したい。
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ほんとバカなインストです。インストで馬鹿馬鹿しいってなかなかない。
でも、冗談音楽と現代音楽って紙一重なんですよね。
12. Re:Re:Re:
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女友達5~6人位に「デートに誘うから、つかず離れずの気があるのかないのか微妙ー!なかんじのメールのやりとりをお願いします。」っていってそれぞれメールのやりとりをして、実際のメールの文章だけでそれぞれのラップの歌詞を作ったこれも多分世界初「メールのフィールドレコーディング!」
もっとせつないカンジになるかと思ってたけど3人が3人共笑いの方向(玉砕メール)にいってしまい、それもまたよし!なかんじの情けない男アンセム?になりましたとさ。 -
作詞の際に実際知り合いの女性達と仮想メールをしたのが楽しかった。
そして凹んだ。 -
アルバムの大冒険に関して先陣切って作られたナンバー。
メールにある文字列をそのまま読むこともフィールドレコーディングじゃないかとコーシたちが言い、であれば作り物の文があってもいいのではないかと、思えば実はすでにこの時から方向は決まっていたのです。
13. 飽きる
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これは□□□3人の路上ライブフォークグループ編です。路上ライブを録音した音そのものです。一番ざっくりしたフィールドレコーディング!
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AVEX前で急遽録音。人生初のストリートライブ。
少ない情報にも関わらず大勢の方が参加してくれた。 -
twitter上で前日集合をかけて人が大勢来てくれました。その録音。
日本初の録音twitter告知。
14. 00:00:00
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時報をつかったこのアルバムのハイライト曲。
なんか時報の上に音が乗るだけで「二度と戻らないいまこの瞬間」という雰囲気が出て、それだけですごいせつないかんじになるんですが、その雰囲気をどう壊さず歌詞や歌を乗っけるかというところに気を使いました。
僕はここ最近時間は過去→現在→未来というふうに流れるものじゃないと思って日々を生きていますが、そのカンジをどう歌にするか?という考えに対するひとつの答えでもあります。
あとどこかで書いた「すべての芸術は鎮魂である」ということでもあります。
あとHEADZの佐々木敦さんと話した時に「これから(2010年代)は時間だよねー」という会話だけでやたらと盛り上がったんですがそんなかんじです? -
何度も言うようですが、この曲を少しでも好きになってくれたのなら、柴幸男"わが星"という劇を見てもらいたい。お願い。
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時間をどうとらえるか、何回かコーシとやりあいました。そのうちどんどん構成が大きくなっていった曲。
僕とコーシとで夏にやった「ナナオサカキ追悼ポエトリーリーディング」の影響なども歌詞には反映されています。
15. everyday is a symphony
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といったかんじで最後は弾き語りで終わります。
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MIURAの声。それもフィールドレコーディング。
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珠玉の名曲。どの曲を聴くにつけ、最後は必ずこれを聴きます。
しめのソバ的な。
【まとめ】
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説教臭いかんじになってしまいますが、やっぱりみんななんでもかんでもすぐ分かった気になってその結果逆に自分を息苦しくさせすぎているからもうちょっとわからないことを大事に「時間」をかけて温めていこうよ。
という前作「Tonight」収録の「リフレイン」の一節『もうわからないこと恐れないよ」とも繋がることを歌っています。いや、歌っているともいえます。
受け取り方はやっぱり聴いてくれた方それぞれが自由に解釈して欲しいです。
でも自由に解釈するためにはお勉強(自分にとってよくわからないものに向き合う)しないと出来ないよ。と、なんだかやはりどうにも説教臭くなってきてしまいましたが、人生はもちろん楽しいことばかりではなくて、理不尽な悲しさや怒りもきっと同じくらいあるんだけど、それに対しても向き合わないと楽しいはずのことも楽しくなくなっちゃうよ。
だから『愛とwhy?念入りに出会いとdive念入りに誓いとtry念入りにそんでeveryday is a symphony!』 -
無事できました。
曲の善し悪しでは無く、記憶に残るアルバムだと思います。
一度は必ず1曲目から15曲目まで通して聴いてもらいたい。
一度は必ず外で聴いてもらいたいです。よろしこ。