―Tシャツは、単なるファッションとしてだけでなく持ち主のスタイルや主義を主張するツールとして身に付けられることが多いと思いますが、そういったTシャツの持つ力についてどのようにお考えですか?
ぼくが10代だった60年代は、ヒッピーなどに見られるように、その人の主義や心情を表す一種のメディアだった。言ってみれば、歩くキャンバスであり、そこに絵や文字によって主張を伝えていました。
当然、単なる「下着」という機能を越えた重要なアイテムとしての位置を確立して久しいですね。
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2009/04/27 UPDATE
―出来上がったTシャツを見ての感想は?
カッコいいですね。いろいろな色の組み合わせのものを、今後見てみたいです。定番として定着するとうれしいですね。
―それぞれの言葉に込められた意味とは?
my cup - なるべく紙コップなどは使わないために
my bag - なるべくスーパーの袋は使わないために
my chopsticks - なるべく海外産の割り箸は使わないために
my water - なるべく遠く海外から運ばれてくるボトルの水を飲まないために
my place - 自分の住んでいるところを愛せるために
my world - 自分が住んでいる惑星を愛せるために
my life - 自分の人生を愛せるために
my music - 自分の人生を豊かにするために
背中に大きく縫い付けられた、教授デザインの五線譜タグに注目!
―Tシャツは、単なるファッションとしてだけでなく持ち主のスタイルや主義を主張するツールとして身に付けられることが多いと思いますが、そういったTシャツの持つ力についてどのようにお考えですか?
ぼくが10代だった60年代は、ヒッピーなどに見られるように、その人の主義や心情を表す一種のメディアだった。言ってみれば、歩くキャンバスであり、そこに絵や文字によって主張を伝えていました。
当然、単なる「下着」という機能を越えた重要なアイテムとしての位置を確立して久しいですね。
―オススメの着こなしは? また、ご自分ではどのように着こなしたいですか?
最近は、Tシャツの上にカーディガン―季節によって材質は変える―その上にジャケットかコート、首にはスカーフというのが好きです。Tシャツがチラッと見えているのが好き。
―デザインでこだわったポイントは?
「メッセージのある言葉には、禁欲的なデザインだ」という思い込みで、最初、真っ当な書体を真っ当に並べてデザインしようとしましたが、どうもイマイチでした。
デザインに行き詰まるのは毎度のことですが、そこを突破するきっかけに何か全然ちがう方法でやってみようという乱暴な発想から、「溝引き」(筆で直線を描く技法)で方眼紙に文字を描き出したら、一気に出来上がりました。
―commmonsに対するイメージを、デザインにどのように還元されましたか?
mが3つとはめまぐるしいですね。
それはともかく、commmonsといえばスマートでオリジナルでチャーミングな印象なので、Tシャツも当然スマートでオリジナルでチャーミングでないといけないと思うと、デザインするのに相当な重圧を感じました。
―オススメの着こなしは? また、ご自分ではどのように着こなしたいですか?
着こなしについて僕に訊かないで下さい!
パジャマにしないで外で着てもらえれば、どんなふうに着たって歓迎です。僕はこの夏は毎日コレです!
服部一成(はっとり・かずなり)
グラフィックデザイナー、アートディレクター。
1964年東京生まれ。東京芸術大学美術学部デザイン科卒。ライトパブリシティを経て、フリーランス。
おもな仕事に、『キユーピーハーフ』の広告や、雑誌『流行通信』『真夜中』のエディトリアルのほか、『細野晴臣 分福茶釜』の装丁や『PUPA』のCDジャケットも。
―ボディ作製にあたってこだわったポイントは?
今回、空里香さんのディレクションのもと、型紙制作ひとすじ30年の経験を持つ弊社のパタンナーが「commmons」オリジナルの型紙を新たに作成いたしました。少し細めの衿や、ナチュラルで、すっきりとしたシルエットは、優しい肌触りを持つ生地の風合いとあいまって大人も楽しめる上質な仕上がりになりました。
また、プリント用のインクには環境負荷が低いとされる水性インクを使用し、Tシャツの裁断、縫製、プリント、仕上げにはグリーン電力(1枚あたり308whと算出)を用いています。
―御社が力を入れている環境面での取り組みを教えてください。
1999年よりオーガニックコットンTシャツの製造販売を開始し、NPO日本オーガニックコットン協会のメンバーとしてオーガニックコットンのPR・普及活動のお手伝いをしています。その後2002年には、ISO14001環境マネジメントシステム認証を取得し、運用、環境への取り組みを続けています。
また、自社ブランド「久米繊維謹製」製品およびオーガニックコットン製品の裁断・縫製・仕上げに使用する電力を2006年末よりグリーン電力化いたしました。
製品の企画、製造をする際には、「永くご愛用いただけるモノ作り」がエコに繋がるという考えのもと、「日本でこそ創りえる」「誇りの持てる」丁寧なTシャツ作りを心がけています。
―御社が一貫してTシャツ作りにこだわられている理由は?
衣料・ファッションという枠を超えて、メディア、メッセージやコミュニケーションのツールとしての役割も果たし、仲間の証としてのユニフォームにもなるというTシャツが持つ可能性や力を信じていることが大きいと思います。
また、国内でのTシャツ製造の先駆けとして、1950年代半ばから作りつづけてきた専門メーカーだからこそ余計に感じる「シンプルなものほど、つくるのは難しい」というTシャツ作りの奥深さも魅力です。
―オススメの着こなしは? また、ご自分ではどのように着こなしたいですか?
私なら、良く着込んで愛着のあるデニムと、上品なマット系の黒ジャケットに合わせてみたいですね。
そして友人に会ったら、すかさずジャケットを脱いでプリントのメッセージとcommmonsについて熱く語ります(笑)。本当に着るのが楽しみです!
(回答:久米繊維工業株式会社・セールスディレクター/村上典弘さん)