音楽と石鹸、人との出会いが生んだ魔法
あらきゆうこ(mi-gu) CORNELIUS、salyu、Polaris、くるり、杏子、スガシカオ、COIL、Dr.strange Love、清春、等を始めとした多数のアーティスト達のレコーディングセッションやライブに参加しているドラマー、あらきゆうこ。
そして、彼女のその音楽的感性をよりパーソナルに、より深く追求しているのが、ソロプロジェクト"mi-gu"。2003年4月16日に1st album「migu」をヨーロッパ、日本で同時リリース。国内外で高い評価を得る。
そして2006年9月6日には待望のセカンドアルバム「From space」をリリース。ドラマーとして、アーティストとして今後、目が離せない存在である。
2009年1月21日(水)恵比寿LIQUIDROMにてIf By Yes(本田ゆか、ペトラ・ヘイデン、あらきゆうこ、清水ひろたか)のライブが急遽決定。 イベント詳細はhttp://www.chimeramusic.jpにて。
様々な個性との出会い
- ―ソロプロジェクトmi-guとしての新しいアルバムを制作中だそうですが、どういうアルバムになりそうですか。
- あらき:アルバムにはマイク・ワットが参加してくれています。ペトラ・ヘイデンとマイク・ワットでやっているユニットがあって、それがmi-guのセカンド・アルバム『From space』に入っている「floating」という曲のカバーをしてくれているんです。だから今回は逆に私のアルバムに参加してもらって。コーネリアス・バンドでもやっているし、いろんな人が参加してくれたことで、すごく幅が広がったアルバムになりそうです。
- ―ドラマーとして、「ドラムという楽器のおもしろさ」をあらきさんはどう考えていますか。
- あらき:単純に運動的なところもあって、叩けばスッキリするというのが基本的にあるんですよ。それと、これはmi-guをやりはじめて思っていることですけど、フロントの人が歌を歌っていることの素晴らしさを感じたいという気持ちが強くあるんです。フロントを仕切る人たちが歌を伝えるという行為を後押ししたいというか、一緒に外に届けている感じがすごくあるんですよ。大きな会場なら大きく、小さい会場ならそれだけに伝わる大きさとか、そういうことを感じはじめたんですね。前は一人で演奏してて、どちらかと言うと、「自分が主役でやってる」という意識が強くて、ある意味、自己顕示欲があったのかなと思うんですけど、今は、みんなでやって、それを届けようとする、その気持ちが大事なんだなというふうに感じていて。それが面白いんですよね。福耳なんてすごいですよ。ズラーッとボーカリストがいるから(笑)。
- ―福耳で演奏するとき、あらきさんは、ボーカリストたちのたくさんの背中を見ながら叩いている状態ですよね。
- あらき:ふふふ。そうなんです。後ろから見ると楽しいですね。順番で歌うとき、私の中では、「ほら、秦(基博)くん歌え!」「2番、卓弥くん(スキマスイッチ/大橋卓弥)だよ!」「あ、杏子さんに戻って来た!」みたいな。
- ―それぞれを違う形で支えているというイメージですか?
- あらき:そうですね。杏子さんの場合は、一緒に攻撃するっていう気持ちがあったりとか、秦くんが歌うときは、一緒にただそこにいるという感じだったりとか、卓弥くんのときは、ちょっと上がる方がいいから、ちょっと押してみるとか、ちー(元ちとせ)のときは、一人でバーンと行ってください!みたいな。マイクロンスタフはラップだから、スモーガスをやっていた頃のことを思い出してやる感じ。みんな個性が違うから、そういうのを考えながら演奏するのは本当に楽しいですね。
- ―新しく、本田ゆかさんたちともバンドを組んで、アルバムを制作しているそうですね。
- あらき:ペトラ・ヘイデンが歌で、ゆかさんと私の女3人に、ショーン(・レノン)とシミー(清水ひろたか)のバンドなんです。ニューヨークを拠点しているバンドなので、私とシミーがニューヨークに行けば、いつでも活動ができる状況ですね。
- ―レコーディグは終わったのですか?
- あらき:ほとんど終わっています。とにかくペトラの歌が素晴らしいんですよ。他にはスティーリー・ダンのトランペットの人が参加してくれたり、マーク・リボーのバンドのベースの人がギターで参加してくれたり。ゆかさんもショーンも日本で成功したいという気持ち強いし、私もニューヨークで活動したいという気持ちがあるから、ワールドワイドにやれたらいいなと思っているんです。
- ―今後の活動で、新しく考えていることはありますか?
- あらき:作品づくりに関してはmi-guでやっていきますが、ライブでやってみたいこととして、「あらきゆうこ」として何ができるかという企画を立てているんです。生の打楽器だけで何か表現してみたいなというのがあって、私が一緒に演奏したい人を迎えて、1対1でライブをやるという企画なんですよ。一番最初は、友達でもある中北裕子というパーカッショニストと一緒にやる予定で、私がドラムとかジャンベとかやって、彼女もバラフォンという木琴の大きな楽器を持っているので、それら打楽器を使って、即興演奏で彼女と絡みながらやってみたいなと思っています。