ASA- CHANG&巡礼
影の無いヒト
「巡礼、初の海外公演に同行して下さい」。ASA-CHANGから電話をいただいたのは2008年の初春だった。これまで巡礼のライヴには何度も足を運び、ASA-CHANGが夢想し、具現化した独自の音楽観/世界観と、それを支えるU-zhaanの超絶なタブラ演奏に惚れ込んでいた僕には願ったり叶ったりの申し出だ。聞くと、行き先は南フランスのニーム。僕は十数年前にニームの隣町モンペリエに半年ほど滞在していたことがあり、ニームも一度だけだが足を運んだことがあった。もちろん喜んで同行させてもらいます!
ニーム市は古代ローマからの歴史を持つ人口約14万人の町。一般には古代ローマの円形劇場跡で行われる闘牛で知られているが、一部のワールド音楽好きには近年盛況のオック語(ラングドック)音楽や、ジプシー・キングスの本拠地としても有名だ。
そんな古都で今回が二度目の開催となるのが「L'Experience Japonaise」 。訳して「日本体験」という音楽&ダンスのフェスティバルだ。日本のインディーズ音楽を愛するあまり、東京に移住し、高円寺を拠点にレーベルSONORE を立ち上げ、「Musiques Japonaises Independentes Des Annees 90」(90年代の日本のインディーズ音楽)という仏語の大著を刊行した仏人フランク・ストファー(Franck Stofer)氏がアーティスト・ディレクションを行い、ニームの市立劇場と共同で開催される。
今回、参加する日本人音楽家は巡礼の他、三上寛、Ruins Alone(吉田達也)、キセル、Baby-Q、東京パノラマ・マンボ・ボーイズ、YMCKら17組。エレクトロニック音楽からフォーク、アヴァンギャルド、ラテン、コンテンポラリー・ダンスまで、現代日本のオルタナティヴなシーンを俯瞰するような顔ぶれだ。自分だけの個性、そして芸術を尊ぶ国フランスとは言え、ニームは小さな地方都市だ。そこで巡礼がどんなライヴを行い、どのように人々に受け入れられるのか、三泊四日じっくりとつきあい、この目で見てやろうじゃないか!
2009年3月26日夕方5時、成田から約12時間のフライトの後に到着したシャルル・ド・ゴール空港には流ちょうな日本語を話すフランス人女性スタッフが待ち受けていた。わざわざニームから来てくれていたのだ。同便で到着した日本組全員が揃うのを待ち、チャーターしていた大型バスでパリ市内の南仏行きのターミナル駅であるリヨン駅に向かう。
リヨン駅ではニーム行きのTGV(新幹線)まで一時間ほどの待ち時間があった。そこで僕は荷物を現地スタッフに預け、僕と同じく機内食に手を出さずにいた U-zhaanとともに駅前のブラッスリーへと出かける。冬のパリに来て生牡蠣を食べない手はない。身の締まった小振りの生牡蠣1ダースを肴に、まずは冷えた白ワインで巡礼のフランス初上陸を乾杯する。
すっかりほろ酔い気分となり、待ち合わせ時間に5分遅れて駅に戻ると、ASA-CHANGとスタッフ達は駅のパン屋さんで買ったサンドイッチや菓子パンで腹を満たしていた。失礼しました! 言い訳をするようだが、駅の売店で何気に買ったパンでも激ウマなのがフランスの良いところでもある。
目的地のニームまではTGVで三時間半のラストスパート。まだまだ旅路は続く。
text & photo/サラーム海上
commmonsmartでASA-CHANG&巡礼『影の無いヒト』をご購入されたお客様に、オリジナル缶バッジをプレゼントいたします。
※缶バッジ付き商品の販売は終了いたしました。
約4年ぶり、commmons移籍第一作目となるアルバムは、結成10周年を迎えた彼らのラジカルなサウンドが大胆に放たれた一枚!
坂本龍一、宮藤官九郎、モデルの太田莉菜、キセル、Talvin Singhら、ASA-CHANG&巡礼と深い各界のアーティストが参加し、色彩豊かな作品となっている。
お馴染みの巡礼ジャージに手ぬぐい、さらにはASA-CHANG&巡礼関連アイテムとしては初のTシャツとなるJUNRAY DANCE CHANG公開記念Tシャツなど、ポップでアバンギャルドなグッズが勢ぞろい。
販売グッズリスト
- 巡礼ジャージ(青/メンズ)
- 巡礼ジャージ(青/レディース)
- 巡礼ジャージ(グレー/レディース)
- 巡礼ジャージ(カーキ/メンズ)
- 巡礼ジャージ(カーキ/レディース)
- 巡礼手ぬぐい
- アオイロ劇場ラグランTシャツ(S)
- アオイロ劇場ラグランTシャツ(M)
ASA-CHANG&巡礼
打楽器奏者ASA-CHANG、プログラム担当の浦山秀彦、タブラのU-zhaanで構成。
「声もひとつの楽器」をコンセプトに、言葉を分子レベルまで刻み込み、タブラと語りかける"発明的"な楽曲が特徴的で、聴く者を不思議な空気で包み込む。
過去に小泉今日子やハナレグミを作品に迎えた他、近年ではフランスでライブを行ったり、自主イベント「JUNRAY DANCE CHANG」を成功させるなど、精力的な活動を行っている。